ドテン(途転)とは?初心者でもわかる!相場で勝つための逆転ポジション術

  • URLをコピーしました!

相場の世界には「ドテン」という言葉があります。テレビの経済ニュースや投資の本で見かけたことがある方もいるでしょう。このドテンという言葉、実は投資の世界では非常に重要な意味を持っています。

ドテン取引は、相場の流れが変わったと判断した時に、持っているポジションを一度決済して、反対方向のポジションを新たに持つという取引手法です。うまく使えば大きな利益につながる可能性がありますが、使い方を間違えると大きな損失を被ることもあります。

この記事では、ドテン(途転)の基本的な意味から実践的な使い方、そして初心者が気をつけるべきポイントまで、わかりやすく解説していきます。相場の波に乗りたい方、トレードの幅を広げたい方は、ぜひ参考にしてください。

目次

ドテン(途転)の基本的な意味と仕組み

ドテンという言葉は、「途中で転換する」という意味の「途転」が語源です。相場用語としては、持っているポジションを決済して、すぐに反対方向のポジションを取ることを指します。

ドテン買いとは

ドテン買いは、売りポジションを持っている状態から、そのポジションを決済して買いポジションに転換することです。例えば、ドル円の相場で売りポジションを持っていたけれど、相場の流れが上昇トレンドに変わったと判断した場合、売りポジションを決済して買いポジションに切り替えます。

具体的には、100円でドル円を売っていたとします。しかし、相場が上昇し始め、このまま上がると判断したら、101円で売りポジションを決済(損切り)し、同時に101円で買いポジションを新たに持ちます。これがドテン買いです。

ドテン売りとは

反対に、ドテン売りは買いポジションを持っている状態から、そのポジションを決済して売りポジションに転換することです。例えば、ドル円の相場で買いポジションを持っていたけれど、相場が下落トレンドに変わったと判断した場合、買いポジションを決済して売りポジションに切り替えます。

例えば、100円でドル円を買っていたとします。しかし、相場が下落し始め、このまま下がると判断したら、99円で買いポジションを決済(損切り)し、同時に99円で売りポジションを新たに持ちます。これがドテン売りです。

漢字で書くと「途転」

ドテンは漢字で「途転」と書きます。「途中で転換する」という意味で、まさに相場の流れが変わったと判断して、ポジションを反対方向に転換することを表しています。

ドテン取引は、相場の変化に素早く対応するための手法です。相場の流れを読み、タイミングよくポジションを転換することで、損失を最小限に抑え、利益を最大化することを目指します。

ドテンが効果的な相場局面

ドテン取引はどんな相場でも有効というわけではありません。特に効果を発揮する局面があります。ここでは、ドテン取引が効果的な相場局面について見ていきましょう。

レンジ相場での活用法

レンジ相場とは、相場が一定の範囲内で上下動を繰り返している状態です。この状態では、上限(レジスタンスライン)と下限(サポートライン)が明確に見えることが多いです。

レンジ相場でのドテン取引は非常に効果的です。例えば、相場が下限に近づいたら買いポジションを取り、上限に近づいたら売りポジションに転換する、という戦略が考えられます。

具体的には、ドル円が105円から107円の間でレンジ相場を形成している場合、105円付近で買いポジションを取り、107円付近まで上昇したら買いポジションを決済して売りポジションに転換します。そして再び105円付近まで下落したら、売りポジションを決済して買いポジションに転換する、というサイクルを繰り返します。

このように、レンジ相場ではドテン取引を繰り返すことで、小さな値幅の中でも継続的に利益を積み上げることができます。

トレンド転換時の活用法

トレンド転換時もドテン取引が効果を発揮します。上昇トレンドが下降トレンドに変わる、あるいは下降トレンドが上昇トレンドに変わるタイミングを捉えて、ポジションを転換することで大きな利益を得ることができます。

例えば、長期間の上昇トレンドが終わり、下降トレンドに転換したと判断した場合、買いポジションを決済して売りポジションに転換します。逆に、長期間の下降トレンドが終わり、上昇トレンドに転換したと判断した場合、売りポジションを決済して買いポジションに転換します。

トレンド転換を見極めるのは難しいですが、移動平均線のゴールデンクロスやデッドクロス、RSIやMACDなどのテクニカル指標を組み合わせることで、転換のサインを捉えることができます。

レジスタンスライン・サポートラインでの判断

レジスタンスラインとサポートラインは、ドテン取引の判断基準として非常に重要です。

レジスタンスラインは相場の上値の抵抗線で、過去に何度かこのラインで相場が反転下落している水準です。サポートラインは相場の下値の支持線で、過去に何度かこのラインで相場が反転上昇している水準です。

例えば、相場がサポートラインを割り込んだ場合、それまでの上昇トレンドが終わり、下降トレンドに転換する可能性があります。この時、買いポジションを持っていれば、それを決済して売りポジションに転換するドテン売りが有効です。

逆に、相場がレジスタンスラインを突破した場合、それまでの下降トレンドが終わり、上昇トレンドに転換する可能性があります。この時、売りポジションを持っていれば、それを決済して買いポジションに転換するドテン買いが有効です。

ただし、レジスタンスラインやサポートラインを一時的に突破しても、すぐに戻ってくることもあります(フェイクブレイク)。そのため、他のテクニカル指標と組み合わせて判断することが重要です。

ドテン取引のメリットとデメリット

ドテン取引には多くのメリットがありますが、同時にデメリットもあります。ここでは、ドテン取引のメリットとデメリットを詳しく見ていきましょう。

メリットデメリット
効率的に利益を狙えるトレードの難易度が高い
相場の変化に素早く対応できるもみ合い相場では効果が薄い
トレンド転換を捉えられる往復ビンタのリスクがある
損失を最小限に抑えられる手数料コストが増加する
利益の最大化が可能精神的な負担が大きい

メリットの詳細解説

ドテン取引の最大のメリットは、相場の変化に素早く対応できることです。相場の流れが変わったと判断したら、すぐにポジションを転換することで、新しいトレンドの初期段階から利益を得ることができます。

例えば、長期間の上昇トレンドが終わり、下降トレンドに転換したと判断した場合、買いポジションを決済して売りポジションに転換することで、下降トレンドの初期段階から利益を得ることができます。

また、損失を最小限に抑えることもできます。相場が予想と反対方向に動いた場合、早めにポジションを転換することで、損失を最小限に抑え、さらに反対方向の動きから利益を得ることができます。

トレンド転換を捉えることも大きなメリットです。相場は上昇と下降を繰り返しますが、そのトレンド転換のタイミングを捉えることができれば、大きな利益を得ることができます。ドテン取引は、このトレンド転換を捉えるための効果的な手法です。

デメリットの詳細解説

一方で、ドテン取引にはデメリットもあります。最も大きなデメリットは、トレードの難易度が高いことです。相場の流れが変わったと判断するのは簡単ではなく、誤った判断をすると大きな損失につながる可能性があります。

また、もみ合い相場では効果が薄いというデメリットもあります。相場が一定の範囲内で上下動を繰り返しているだけで、明確なトレンドがない場合、ドテン取引を繰り返すと手数料だけがかさんでしまう可能性があります。

「往復ビンタ」のリスクも大きなデメリットです。往復ビンタとは、ドテン取引を行った直後に相場が再び反転し、元のトレンドに戻ってしまうことです。例えば、買いポジションから売りポジションに転換した直後に相場が上昇し始めると、二度の損失を被ることになります。

手数料コストの増加も無視できません。ドテン取引では、ポジションの決済と新規ポジションの取得で二回の取引が発生するため、通常の取引よりも手数料が多くかかります。

精神的な負担も大きいです。相場の流れを常に監視し、トレンド転換のタイミングを見極める必要があるため、精神的なストレスが大きくなります。

実践的なドテン取引の方法

ドテン取引の基本的な考え方や効果的な局面について理解したところで、実際にどのようにドテン取引を行うのか、具体的な方法を見ていきましょう。

ドテン買いの具体的な手順

ドテン買いは、売りポジションを持っている状態から買いポジションに転換する取引です。具体的な手順は以下の通りです。

  1. まず、相場の流れが上昇トレンドに変わったと判断するためのサインを見極めます。例えば、移動平均線のゴールデンクロス、RSIの上昇、MACDのシグナルラインの交差などが上昇トレンドへの転換を示すサインとなります。
  2. サインを確認したら、現在持っている売りポジションを決済します。例えば、100円でドル円を売っていて、現在の価格が101円であれば、101円で売りポジションを決済します。この時点で1円の損失が確定します。
  3. 売りポジションを決済したら、すぐに買いポジションを取ります。例えば、101円で買いポジションを取ります。
  4. その後、相場が予想通り上昇すれば、買いポジションから利益を得ることができます。例えば、相場が103円まで上昇すれば、2円の利益を得ることができます。

ドテン買いのポイントは、相場の流れが上昇トレンドに変わったと判断するタイミングです。早すぎると損失が拡大し、遅すぎると上昇トレンドの初期段階を逃してしまいます。

ドテン売りの具体的な手順

ドテン売りは、買いポジションを持っている状態から売りポジションに転換する取引です。具体的な手順は以下の通りです。

  1. まず、相場の流れが下降トレンドに変わったと判断するためのサインを見極めます。例えば、移動平均線のデッドクロス、RSIの下落、MACDのシグナルラインの交差などが下降トレンドへの転換を示すサインとなります。
  2. サインを確認したら、現在持っている買いポジションを決済します。例えば、100円でドル円を買っていて、現在の価格が99円であれば、99円で買いポジションを決済します。この時点で1円の損失が確定します。
  3. 買いポジションを決済したら、すぐに売りポジションを取ります。例えば、99円で売りポジションを取ります。
  4. その後、相場が予想通り下落すれば、売りポジションから利益を得ることができます。例えば、相場が97円まで下落すれば、2円の利益を得ることができます。

ドテン売りのポイントは、相場の流れが下降トレンドに変わったと判断するタイミングです。早すぎると損失が拡大し、遅すぎると下降トレンドの初期段階を逃してしまいます。

注文方法の違い(FX会社による呼び名の違い)

ドテン取引の注文方法は、FX会社によって異なる場合があります。一般的には、現在のポジションを決済する注文と、新たなポジションを取る注文を別々に出す必要がありますが、中にはドテン注文を一括で行える会社もあります。

例えば、「ドテン注文」「リバース注文」「ポジション転換注文」など、会社によって呼び名が異なることがあります。また、一部の会社では、スマートフォンアプリやウェブ取引ツールで、ワンクリックでドテン取引ができる機能を提供しています。

自分が利用しているFX会社でどのようにドテン取引を行うのか、事前に確認しておくことをおすすめします。特に、手数料やスプレッドがどのように適用されるのかは重要なポイントです。

ドテン取引で使える指標とテクニカル分析

ドテン取引を成功させるためには、相場の流れが変わったと判断するためのサインを見極めることが重要です。ここでは、ドテン取引で使える指標とテクニカル分析について見ていきましょう。

パラボリックを使ったトレンド転換の見極め方

パラボリック(Parabolic SAR)は、トレンドの方向と転換点を示すテクニカル指標です。チャート上では、価格の上または下に点(ドット)として表示されます。

パラボリックが価格の下にある場合は上昇トレンド、上にある場合は下降トレンドを示します。そして、パラボリックの位置が価格の上から下、または下から上に変わった時、それはトレンドの転換を示すサインとなります。

例えば、パラボリックが価格の上にあり下降トレンドを示していたのが、価格の下に移動した場合、それは上昇トレンドへの転換を示すサインです。この時、売りポジションを持っていれば、それを決済して買いポジションに転換するドテン買いが有効です。

逆に、パラボリックが価格の下にあり上昇トレンドを示していたのが、価格の上に移動した場合、それは下降トレンドへの転換を示すサインです。この時、買いポジションを持っていれば、それを決済して売りポジションに転換するドテン売りが有効です。

パラボリックは、トレンドの転換を早期に捉えることができる指標ですが、相場がレンジ相場の場合は誤ったシグナルを出すことがあるため、他の指標と組み合わせて使用することをおすすめします。

その他有効なテクニカル指標

パラボリック以外にも、ドテン取引で有効なテクニカル指標はいくつかあります。

移動平均線は、一定期間の価格の平均値を結んだ線で、相場のトレンドを把握するのに役立ちます。短期と長期の移動平均線が交差する「ゴールデンクロス」と「デッドクロス」は、トレンド転換のサインとして広く使われています。

ゴールデンクロスは短期の移動平均線が長期の移動平均線を下から上に突き抜けるパターンで、上昇トレンドへの転換を示します。この時、売りポジションを持っていれば、ドテン買いのタイミングとなります。

デッドクロスは短期の移動平均線が長期の移動平均線を上から下に突き抜けるパターンで、下降トレンドへの転換を示します。この時、買いポジションを持っていれば、ドテン売りのタイミングとなります。

RSI(相対力指数)も有効な指標です。RSIが70以上の「買われすぎ」の状態から下落し始めたら、下降トレンドへの転換のサインとなります。逆に、RSIが30以下の「売られすぎ」の状態から上昇し始めたら、上昇トレンドへの転換のサインとなります。

MACD(移動平均収束拡散法)も、トレンド転換を捉えるのに役立ちます。MACDラインとシグナルラインの交差は、トレンドの転換を示すサインとなります。

エントリーポイントの判断基準

ドテン取引のエントリーポイント(ポジションを転換するタイミング)を判断する基準は、トレーダーによって異なります。しかし、一般的には以下のような基準が考えられます。

テクニカル指標のシグナル:前述のパラボリック、移動平均線、RSI、MACDなどのテクニカル指標がトレンド転換のシグナルを出した時がエントリーポイントとなります。

価格のブレイクアウト:レジスタンスラインやサポートラインを価格が突破した時、それはトレンド転換のサインとなります。例えば、長期間のレジスタンスラインを価格が上に突破したら、上昇トレンドへの転換のサインとなり、ドテン買いのタイミングとなります。

ローソク足のパターン:「陰線の包み線」「陽線の包み線」「はらみ線」「寄り引け線」など、特定のローソク足のパターンもトレンド転換のサインとなります。

複数の時間軸の確認:短期、中期、長期の複数の時間軸でトレンド転換のサインを確認することで、より精度の高い判断ができます。

重要なのは、単一の指標やサインだけでなく、複数の指標やサインを組み合わせて総合的に判断することです。また、相場の状況(トレンド相場かレンジ相場か)によっても、有効な指標やサインは異なります。

ドテンとナンピンの違い

ドテン取引と似た概念に「ナンピン」があります。どちらも相場の変動に対応するための手法ですが、その目的や方法には大きな違いがあります。ここでは、ドテンとナンピンの違いについて見ていきましょう。

ドテンナンピン
反対方向のポジションを建てる同じ方向のポジションを追加する
トレンド転換時に有効含み損を平均化する目的
ポジションの方向を変えるポジションの方向は変えない
損切りを伴う損切りを先延ばしにする
リスク管理が重要資金管理が重要

ドテン取引は、相場の流れが変わったと判断した時に、持っているポジションを一度決済して、反対方向のポジションを新たに持つ取引手法です。例えば、買いポジションを持っていて相場が下落し始めたら、買いポジションを決済して売りポジションに転換します。

一方、ナンピンは、持っているポジションと同じ方向のポジションを追加する取引手法です。例えば、買いポジションを持っていて相場が下落した場合、さらに安い価格で買いポジションを追加します。これにより、平均購入価格を下げ、相場が反転上昇した時の利益を大きくすることを目指します。

ドテン取引はトレンド転換時に有効で、相場の流れに素早く対応することを目的としています。一方、ナンピンは含み損を平均化し、相場の反転を待つことを目的としています。

ドテン取引では、損切りを伴いますが、ナンピンでは損切りを先延ばしにする傾向があります。そのため、ナンピンはリスク管理が難しく、資金を失う可能性が高いとも言われています。

どちらの手法も、使い方を誤ると大きな損失につながる可能性があります。特に、ナンピンは「負け犬のポジションを増やす」とも言われ、リスクが高い手法です。一方、ドテン取引は、相場の流れを正確に読むことができれば、効率的に利益を得ることができる手法です。

初心者がドテン取引で気をつけるべきポイント

ドテン取引は、使い方を誤ると大きな損失につながる可能性があります。特に初心者の方は、以下のポイントに気をつけることをおすすめします。

資金管理の重要性

ドテン取引を含むすべてのトレードにおいて、資金管理は非常に重要です。一回のトレードで使う資金は、全資金の1〜3%程度に抑えることをおすすめします。

例えば、全資金が100万円の場合、一回のトレードで使う資金は1〜3万円程度に抑えます。これにより、一回のトレードで大きな損失を被っても、全体の資金に大きな影響を与えることなく、トレードを続けることができます。

また、ドテン取引では、ポジションを転換する際に一度損失を確定させることになります。そのため、損失を最小限に抑えるためにも、早めのポジション転換を心がけることが重要です。

損切りラインの設定

ドテン取引では、相場の流れが変わったと判断した時にポジションを転換しますが、その判断が間違っていることもあります。そのため、ドテン取引を行う際も、必ず損切りラインを設定することが重要です。

例えば、ドテン買いを行った後、相場が予想に反して下落し続ける場合、一定のラインで損切りを行うことで、損失を最小限に抑えることができます。

損切りラインの設定は、テクニカル分析に基づいて行うことをおすすめします。例えば、直近の安値や高値、移動平均線、フィボナッチリトレースメントなどを参考にすることができます。

ポジポジ病にならないための心構え

「ポジポジ病」とは、常にポジションを持っていないと気が済まない状態を指します。ドテン取引を行う際、相場の流れが変わったと判断するたびにポジションを転換していると、このポジポジ病に陥りやすくなります。

ポジポジ病に陥ると、冷静な判断ができなくなり、感情的なトレードになりがちです。その結果、不必要なポジション転換を繰り返し、手数料だけがかさんでしまうことになります。

ポジポジ病を防ぐためには、トレードプランを立て、そのプランに従ってトレードを行うことが重要です。また、トレードを休む日を設けることも効果的です。

相場には、トレードすべき時とトレードすべきでない時があります。トレードすべきでない時は、ポジションを持たずに相場を観察することも大切です。

ドテン取引の具体的な成功例と失敗例

ドテン取引の理解を深めるために、具体的な成功例と失敗例を見ていきましょう。

レンジ相場での成功パターン

レンジ相場では、相場が一定の範囲内で上下動を繰り返します。この状態では、上限(レジスタンスライン)と下限(サポートライン)が明確に見えることが多いです。

例えば、ドル円が105円から107円の間でレンジ相場を形成している場合を考えてみましょう。

105円付近で買いポジションを取り、107円付近まで上昇したら買いポジションを決済して売りポジションに転換します(ドテン売り)。そして再び105円付近まで下落したら、売りポジションを決済して買いポジションに転換します(ドテン買い)。

このサイクルを繰り返すことで、小さな値幅の中でも継続的に利益を積み上げることができます。例えば、105円で買い、107円で売りに転換、105円で買いに転換、というサイクルを繰り返すことで、一回のサイクルで2円分の利益を得ることができます。

ただし、レンジ相場がいつまで続くかは予測できないため、レンジを抜けるブレイクアウトに備えることも重要です。

トレンドブレイク時の活用例

トレンドブレイク時、つまり相場が長期間のトレンドを抜け出す時も、ドテン取引が効果を発揮します。

例えば、ドル円が長期間の上昇トレンドの中にあり、あなたは買いポジションを持っているとします。しかし、ある時、相場が下落し始め、長期の移動平均線を下に突破しました。これは下降トレンドへの転換のサインです。

この時、買いポジションを決済して売りポジションに転換する(ドテン売り)ことで、下降トレンドの初期段階から利益を得ることができます。

逆に、長期間の下降トレンドの中で売りポジションを持っている時、相場が上昇し始め、長期の移動平均線を上に突破したら、売りポジションを決済して買いポジションに転換する(ドテン買い)ことで、上昇トレンドの初期段階から利益を得ることができます。

トレンドブレイク時のドテン取引のポイントは、トレンドの転換を早期に捉えることです。そのためには、移動平均線、RSI、MACDなどのテクニカル指標を組み合わせて使用することをおすすめします。

往復ビンタになってしまう典型的なケース

ドテン取引の最大のリスクは「往復ビンタ」です。往復ビンタとは、ドテン取引を行った直後に相場が再び反転し、元のトレンドに戻ってしまうことを指します。

例えば、買いポジションを持っている時、相場が下落し始めたのでドテン売りを行ったとします。しかし、その直後に相場が再び上昇し始めると、二度の損失を被ることになります。

往復ビンタになりやすいのは、相場がレンジ相場の中でもみ合っている時や、大きなニュースの発表前後など、相場の方向性が定まっていない時です。

また、単一の指標やサインだけでドテン取引を判断すると、往復ビンタになるリスクが高まります。例えば、RSIが「売られすぎ」の状態から上昇し始めたからといって、すぐにドテン買いを行うと、相場が再び下落する可能性があります。

往復ビンタを避けるためには、複数の指標やサインを組み合わせて総合的に判断することが重要です。また、相場の状況(トレンド相場かレンジ相場か)を正確に把握することも大切です。

まとめ:ドテン(途転)を使いこなすための心得

ドテン取引は、相場の流れが変わったと判断した時に、持っているポジションを一度決済して、反対方向のポジションを新たに持つ取引手法です。相場の変化に素早く対応し、効率的に利益を狙うことができる手法ですが、使い方を誤ると大きな損失につながる可能性もあります。

ドテン取引を成功させるためには、相場の流れを正確に読むことが重要です。そのためには、テクニカル分析のスキルを磨き、複数の指標やサインを組み合わせて総合的に判断することが大切です。

また、資金管理や損切りラインの設定など、リスク管理も重要です。一回のトレードで使う資金は全資金の1〜3%程度に抑え、必ず損切りラインを設定することをおすすめします。

ドテン取引は、使いこなすことができれば非常に効果的な手法ですが、初心者の方はまず基本的なトレードスキルを身につけてから挑戦することをおすすめします。

よかったらシェアしてね!
  • URLをコピーしました!
目次