外国為替証拠金取引(FX)の自動売買システムとして人気の「ループイフダン」。このシステムを使った「両建て」という手法が注目を集めています。両建てとは、同じ通貨ペアで買いと売りのポジションを同時に持つ取引手法です。一見すると矛盾しているように思えるこの手法ですが、適切に活用すれば効果的な運用が可能になります。
この記事では、ループイフダンを使った両建て手法について、その仕組みからメリット・デメリット、実践方法まで詳しく解説します。FX初心者の方にもわかりやすく説明していきますので、ぜひ最後までお読みください。
ループイフダンの両建てとは何か
ループイフダンとは、あらかじめ設定した値幅で自動的に注文を繰り返す、シンプルな自動売買システムです。「もし○○円になったら買い、△△円になったら売る」という条件を設定しておくと、その条件に従って自動的に取引を行ってくれます。
両建ての基本的な仕組み
両建てとは、同じ通貨ペアで買いポジションと売りポジションを同時に持つ取引手法です。たとえば、ドル円で1万通貨の買いポジションと1万通貨の売りポジションを同時に持つといった形です。
通常のFX取引では、円高になれば売りポジション、円安になれば買いポジションで利益が出ます。しかし、相場の方向性を予測するのは非常に難しいものです。両建ては、相場がどちらに動いても対応できるように、あえて反対方向のポジションを持つ戦略です。
相場が上下どちらかに大きく動けば、一方のポジションで利益が出る一方、もう一方のポジションでは損失が出ます。しかし、利益の出たポジションだけを決済し、損失の出ているポジションはそのまま保有し続けることで、相場が反転した際に損失を取り戻す機会を待つことができます。
ループイフダンと両建ての相性
ループイフダンは、設定した値幅で自動的に注文を繰り返すシステムです。この特性は両建て戦略と非常に相性が良いと言えます。
ループイフダンを使った両建ては、買いポジション用と売りポジション用の2つの設定を同時に稼働させる形で実現します。例えば、ドル円で「100円で買い、101円で売る」という設定と「102円で売り、101円で買う」という設定を同時に動かすことで、相場の上下動に合わせて自動的に取引を繰り返してくれます。
この方法なら、相場の方向性を予測する必要がなく、レンジ相場(一定の範囲内で上下動を繰り返す相場)でも利益を積み重ねることができます。また、24時間稼働するFX市場において、常に自動で取引してくれるため、寝ている間や仕事中でも取引機会を逃しません。
ループイフダンで両建てするメリット
ループイフダンで両建てを行うことには、いくつかの大きなメリットがあります。ここでは主な3つのメリットについて詳しく見ていきましょう。
必要証拠金の圧縮効果
通常のFX取引では、買いポジションと売りポジションそれぞれに証拠金が必要ですが、多くのFX業者では両建ての場合、必要証拠金が圧縮される仕組みになっています。
例えば、ドル円で1万通貨の買いポジションと1万通貨の売りポジションを持つ場合、通常なら2つのポジション分の証拠金が必要ですが、両建てでは大きい方の証拠金のみで取引できることが多いのです。
これにより、少ない資金で効率的に運用することが可能になります。特に、レバレッジの効いたFX取引では、この証拠金の圧縮効果は非常に大きなメリットとなります。
上下どちらに動いても利益が狙える
FX市場の動きを正確に予測することは、プロのトレーダーでも難しいものです。両建ては、相場の方向性を予測する必要がなく、上下どちらに動いても利益を狙える手法です。
ループイフダンの両建てでは、買いポジションと売りポジションの両方を自動で繰り返し取引するため、相場が上下どちらに振れても利益を積み上げることができます。特にレンジ相場では、この戦略が効果を発揮します。
例えば、ドル円が100円から102円の間で上下動している相場であれば、「100円で買い、101円で売る」設定と「102円で売り、101円で買う」設定を組み合わせることで、相場の上下動ごとに小さな利益を積み重ねることができます。
リスクヘッジとしての活用法
両建ては、リスクヘッジの手段としても活用できます。例えば、すでに持っている買いポジションが含み損を抱えている場合、同じ通貨ペアで売りポジションを持つことで、さらなる相場の下落によるリスクをヘッジすることができます。
また、重要な経済指標の発表前など、相場が大きく動く可能性がある場面でも、両建てによってリスクを抑えることが可能です。相場がどちらに動いても対応できるため、急激な相場変動に対する備えとなります。
ループイフダンを使った両建てなら、このようなリスクヘッジを自動で行ってくれるため、常に市場を監視する必要がなく、精神的な負担も軽減されます。
ループイフダンで両建てするデメリット
メリットがある一方で、ループイフダンの両建てにはいくつかのデメリットも存在します。これらを理解した上で取引することが重要です。
スプレッドと手数料の二重負担
両建ては買いポジションと売りポジションの両方を持つため、取引コストが二重にかかってしまいます。FX取引では、売買の際にスプレッド(買値と売値の差)や手数料がかかりますが、両建てではこれらのコストが2倍になります。
例えば、ドル円のスプレッドが0.3銭の場合、1万通貨の取引で30円のコストがかかります。両建てでは買いと売りの両方でこのコストが発生するため、合計60円のコストとなります。
長期的に見ると、このコストは無視できない金額になる可能性があります。特に頻繁に取引を行うループイフダンでは、このコストが積み重なりやすいため注意が必要です。
以下は、主要なFX業者のスプレッドと手数料の比較表です。
FX業者名 | ドル円スプレッド | ユーロ円スプレッド | 取引手数料 |
---|---|---|---|
A社 | 0.2銭 | 0.5銭 | 無料 |
B社 | 0.3銭 | 0.6銭 | 無料 |
C社 | 0.1銭 | 0.4銭 | 1万通貨あたり20円 |
含み損が発生するリスク
両建ての大きなデメリットの一つが、含み損の発生リスクです。相場が一方向に大きく動いた場合、一方のポジションで大きな含み損が発生します。
例えば、ドル円で100円の買いポジションと102円の売りポジションを持っている状態で、相場が95円まで下落した場合、買いポジションでは大きな含み損が発生します。売りポジションでは利益が出ていますが、その利益だけでは買いポジションの損失をカバーしきれない可能性があります。
このような状況では、含み損を抱えたまま相場の反転を待つことになりますが、長期間にわたって含み損を抱え続けることは精神的な負担となります。また、含み損が大きくなりすぎると、強制ロスカット(証拠金維持率が一定水準を下回った際に、自動的にポジションが決済される仕組み)が発動するリスクもあります。
資金効率の問題点
両建ては、同じ通貨ペアで反対方向のポジションを持つため、資金効率が悪くなる側面があります。証拠金が圧縮されるとはいえ、本来なら一方向の取引に集中できる資金を分散させることになります。
また、両建てでは利益と損失が相殺される形になるため、大きな利益を狙いにくいという特徴があります。相場が大きく動いた場合、一方のポジションでは大きな利益が出ますが、もう一方のポジションでは同程度の損失が出るため、トータルでの利益は限定的になりがちです。
効率的な資金運用を考えるなら、相場の方向性を見極めて一方向の取引に集中する方が、大きなリターンを得られる可能性があります。両建ては安定性を重視する戦略であり、大きな利益を追求する戦略ではないことを理解しておく必要があります。
ループイフダンの両建て設定方法
ループイフダンで両建てを行うための具体的な設定方法を見ていきましょう。初心者の方でも実践できるよう、わかりやすく解説します。
買いポジションと売りポジションの同時設定
ループイフダンで両建てを行うには、同じ通貨ペアで買いポジション用と売りポジション用の2つの設定を同時に稼働させます。
まず、FX業者のループイフダン設定画面から、新規注文を作成します。ここで通貨ペア(例:ドル円)を選択し、「買い」の注文を設定します。注文価格、決済価格、注文数量などを入力し、設定を保存します。
次に、同じ通貨ペアで「売り」の注文を新たに作成します。こちらも同様に注文価格、決済価格、注文数量を設定し、保存します。
これで買いポジションと売りポジションの両方の設定が完了し、相場の動きに応じて自動的に取引が行われるようになります。
適切な値幅とロット数の決め方
両建てを成功させるためには、適切な値幅とロット数(取引数量)の設定が重要です。
値幅の設定は、対象通貨ペアのボラティリティ(価格変動の大きさ)を考慮して決めます。ボラティリティが大きい通貨ペアでは広めの値幅、小さい通貨ペアでは狭めの値幅が適しています。
例えば、ドル円のような比較的ボラティリティが低い通貨ペアでは、20〜30銭程度の値幅が一般的です。一方、ポンド円のようなボラティリティが高い通貨ペアでは、50〜100銭程度の値幅が適しているでしょう。
ロット数については、資金量に応じて適切に設定することが重要です。一般的には、総資金の5%以内のリスクに抑えることが推奨されています。例えば、100万円の資金がある場合、1回の取引で最大5万円の損失に抑えるようなロット数に設定します。
以下は、資金量別の推奨ロット数の目安です。
資金量 | 推奨ロット数(1万通貨単位) |
---|---|
30万円 | 0.1〜0.3ロット |
50万円 | 0.2〜0.5ロット |
100万円 | 0.5〜1ロット |
300万円 | 1〜3ロット |
通貨ペアの選び方
両建てに適した通貨ペアを選ぶことも成功の鍵です。一般的には、スプレッドが狭い通貨ペア、ボラティリティが適度な通貨ペア、レンジ相場が形成されやすい通貨ペアが両建てに適しています。
スプレッドが狭い通貨ペアを選ぶことで、両建てで二重にかかる取引コストを抑えることができます。ドル円やユーロ円などのメジャーな通貨ペアは、スプレッドが狭いため両建てに適しています。
ボラティリティについては、高すぎると一方のポジションで大きな含み損が発生するリスクがあり、低すぎると利益を出しにくくなります。ドル円やユーロドルなど、適度なボラティリティを持つ通貨ペアが両建てには適しています。
両建ては、相場が一定の範囲内で上下動するレンジ相場で効果を発揮します。歴史的にレンジ相場が形成されやすい通貨ペアを選ぶと良いでしょう。
初心者の方には、まずドル円から始めることをおすすめします。比較的ボラティリティが低く、スプレッドも狭いため、両建ての練習に適しています。
両建てに向いている通貨ペア
両建て戦略を成功させるためには、適切な通貨ペアの選択が重要です。ここでは、両建てに向いている通貨ペアの特徴と具体的な組み合わせについて解説します。
レンジ相場の特徴と見分け方
両建ては、レンジ相場(一定の範囲内で上下動を繰り返す相場)で最も効果を発揮します。レンジ相場の特徴と見分け方を理解しておくことが重要です。
レンジ相場の主な特徴は、明確な上限と下限が存在すること、トレンドが弱いこと、そしてテクニカル指標でも確認可能なことです。明確な上値と下値に抵抗線(レジスタンスライン)と支持線(サポートライン)が形成され、強いトレンドが見られず上下動を繰り返します。また、RSI(相対力指数)やストキャスティクスなどのオシレーター系指標が、買われすぎ(70以上)と売られすぎ(30以下)の間を行き来する動きを示します。
レンジ相場を見分けるには、日足や4時間足などの大きな時間足チャートで、過去数週間から数ヶ月の値動きを確認するとよいでしょう。明確な上限と下限が見られ、その範囲内で価格が上下動している場合は、レンジ相場の可能性が高いと判断できます。
おすすめの通貨ペア組み合わせ
両建てに向いている通貨ペアには、以下のような組み合わせがあります。
ドル円(USD/JPY)は、日本の低金利政策が続く中、比較的ボラティリティが低く、レンジ相場が形成されやすい通貨ペアです。スプレッドも狭いため、両建てのコストを抑えることができます。
ユーロドル(EUR/USD)は、世界で最も取引量の多い通貨ペアで、流動性が高くスプレッドが狭いのが特徴です。欧州と米国の経済状況によって相場が形成されるため、比較的予測しやすい値動きをすることが多いです。
ユーロ円(EUR/JPY)は、ドル円よりもボラティリティが高めですが、その分値幅を取りやすい特徴があります。適切な値幅設定をすれば、両建てで効果的な利益を狙うことができます。
豪ドル円(AUD/JPY)は、資源国通貨と円の組み合わせで、比較的大きな値動きが特徴です。リスク選好・回避の影響を受けやすく、世界経済の動向によって値動きが変化します。やや値幅を広めに設定することで、両建てに活用できます。
以下の表は、主要通貨ペアの特徴と両建てに適した値幅の目安です。
通貨ペア | ボラティリティ | スプレッド | 両建てに適した値幅 |
---|---|---|---|
ドル円(USD/JPY) | 低〜中 | 狭い | 20〜30銭 |
ユーロドル(EUR/USD) | 中 | 狭い | 20〜40pips |
ユーロ円(EUR/JPY) | 中〜高 | やや広い | 30〜50銭 |
豪ドル円(AUD/JPY) | 高 | やや広い | 40〜70銭 |
ポンド円(GBP/JPY) | 高 | 広い | 50〜100銭 |
相関関係の弱い通貨ペアの選び方
両建て戦略をさらに発展させるなら、相関関係の弱い複数の通貨ペアで両建てを行うことも検討できます。相関関係が弱い通貨ペア同士であれば、一方が不利な相場環境になっても、もう一方で利益を出せる可能性が高まります。
相関関係の弱い通貨ペアの組み合わせとしては、「ドル円とユーロドル」「豪ドル円とユーロ円」などが挙げられます。これらの通貨ペアは、それぞれ異なる経済要因の影響を受けるため、値動きの相関が比較的低くなります。
相関関係を確認するには、FX業者が提供する相関係数表や、専用のチャートツールを利用するとよいでしょう。一般的に、相関係数が±0.5以下の通貨ペアは相関が弱いと判断できます。
両建てループイフダンの実践例
ここでは、ループイフダンを使った両建ての具体的な実践例を紹介します。初心者から中級者まで、それぞれのレベルに合わせた設定例を見ていきましょう。
初心者向けの安全な設定例
FX初心者の方には、まずリスクを抑えた安全な設定から始めることをおすすめします。以下は、ドル円を使った初心者向けの両建て設定例です。
【買いポジション設定】
- 通貨ペア:ドル円(USD/JPY)
- 注文価格:現在レートから30銭下
- 決済価格:注文価格から20銭上
- 注文数量:0.1ロット(1,000通貨)
- 値幅:20銭
- 繰り返し回数:無制限
【売りポジション設定】
- 通貨ペア:ドル円(USD/JPY)
- 注文価格:現在レートから30銭上
- 決済価格:注文価格から20銭下
- 注文数量:0.1ロット(1,000通貨)
- 値幅:20銭
- 繰り返し回数:無制限
この設定では、現在レートを中心に上下60銭の範囲で取引が行われます。注文数量を少なめに設定することで、リスクを抑えながら両建ての仕組みを学ぶことができます。
また、初心者の方は以下の点に注意しましょう。
まず、取引開始時は少額から始めることが重要です。経験を積みながら徐々に取引量を増やしていくことで、リスクを管理しながら取引スキルを向上させることができます。
次に、相場の急変時には一時的に自動売買を停止することも検討しましょう。重要な経済指標の発表前や地政学的リスクが高まっている時期は、相場が大きく動く可能性があります。そのような時期は一時的に取引を控えることで、大きな損失を回避できます。
そして、定期的にポジションの確認と調整を行うことも大切です。両建てといえども、相場環境の変化に応じて設定を見直す必要があります。週に1回程度はポジションの状況を確認し、必要に応じて設定を調整しましょう。
中級者向けの利益最大化戦略
ある程度の経験を積んだ中級者の方は、より積極的な設定で利益の最大化を狙うことができます。以下は、中級者向けの両建て設定例です。
【買いポジション設定】
- 通貨ペア:ユーロ円(EUR/JPY)
- 注文価格:現在レートから50銭下
- 決済価格:注文価格から30銭上
- 注文数量:0.5ロット(5,000通貨)
- 値幅:30銭
- 繰り返し回数:無制限
【売りポジション設定】
- 通貨ペア:ユーロ円(EUR/JPY)
- 注文価格:現在レートから50銭上
- 決済価格:注文価格から30銭下
- 注文数量:0.5ロット(5,000通貨)
- 値幅:30銭
- 繰り返し回数:無制限
この設定では、ボラティリティがやや高めのユーロ円を使い、より広い値幅と大きな注文数量で取引を行います。相場の変動を活かして、より大きな利益を狙う戦略です。
中級者向けの戦略では、複数の通貨ペアで両建てを行うことも効果的です。例えば、ドル円とユーロ円で同時に両建てを行うことで、リスク分散と利益機会の増加を図ることができます。
また、テクニカル分析を活用して、より精度の高い注文価格と決済価格を設定することも重要です。サポートラインやレジスタンスラインを参考に価格設定を行うことで、約定率と利益率を高めることができます。
失敗しやすいパターンと対策
両建て戦略を実践する上で、いくつかの失敗しやすいパターンがあります。これらを事前に知っておくことで、リスクを回避することができます。
一つ目は、トレンド発生時の大きな含み損です。レンジ相場で効果を発揮する両建てですが、強いトレンドが発生すると一方のポジションで大きな含み損が発生します。この対策としては、あらかじめ損切りラインを設定しておくことが重要です。例えば、含み損が証拠金の10%を超えた場合は、損失を確定して再度設定し直すといったルールを決めておきましょう。
二つ目は、値幅設定の失敗です。値幅が狭すぎると取引頻度は増えますが、スプレッドや手数料の影響で利益が出にくくなります。逆に広すぎると約定機会が減少します。対策としては、過去のチャートを分析して、対象通貨ペアの適切な値幅を見極めることが重要です。また、相場環境に応じて値幅を調整する柔軟性も必要です。
三つ目は、資金管理の失敗です。過大なポジションサイズや過剰なレバレッジは、相場の急変時に大きな損失につながります。対策としては、総資金の5%以内のリスクに抑えるなど、適切な資金管理ルールを設定し、それを厳守することが重要です。
以下の表は、失敗パターンとその対策をまとめたものです。
失敗パターン | 原因 | 対策 |
---|---|---|
大きな含み損の発生 | 強いトレンドの発生 | 損切りラインの設定、トレンド発生時の一時停止 |
利益が出ない | 値幅設定の失敗 | 過去チャートの分析、適切な値幅設定 |
証拠金の枯渇 | 過大なポジションサイズ | 適切な資金管理ルールの設定と遵守 |
スプレッドコストの増大 | 取引頻度の増加 | スプレッドの狭い通貨ペアの選択、適切な値幅設定 |
ループイフダンの両建てに関する注意点
ループイフダンの両建てを実践する際には、いくつかの重要な注意点があります。これらを理解し、適切に対応することで、より安全で効果的な取引が可能になります。
禁止されている両建て手法
FX取引において、一部の両建て手法は禁止されていることがあります。特に、同一口座内での両建てを禁止しているFX業者もあるため、取引を始める前に必ず利用規約を確認しましょう。
また、スキャルピング(数秒から数分の短時間で取引を繰り返す手法)と両建てを組み合わせた取引は、多くのFX業者で禁止されています。これは、スプレッドを利用した裁定取引と見なされる可能性があるためです。
さらに、ボーナスや特典を不正に獲得する目的での両建ても禁止されています。例えば、取引量に応じたキャッシュバックを得るために意図的に両建てを行うことは、利用規約違反となる可能性があります。
これらの禁止行為を行うと、口座凍結や強制解約などのペナルティを受ける可能性があるため、必ずFX業者の規約を確認し、ルールに従った取引を行いましょう。
税金対策としての活用と注意点
FX取引の利益は、「雑所得」として総合課税の対象となります。年間の利益が20万円を超えると確定申告が必要になり、所得税と住民税が課税されます。
両建ては、税金対策としても活用できる側面があります。例えば、年末に利益が出ている場合、一部のポジションで意図的に損失を確定させることで、課税対象となる利益を減らすことができます。
しかし、この方法を使う際には注意が必要です。税務署は、明らかに税金逃れを目的とした取引と判断した場合、それを否認する可能性があります。特に、年末に大量の損失を出して翌年初めに同様のポジションを持ち直すような行為は、税務上問題となる可能性があります。
税金対策として両建てを活用する場合は、あくまでも通常の投資戦略の一環として行い、取引の経済的合理性を説明できるようにしておくことが重要です。また、確定申告の際には、すべての取引を正確に記録し、適切に申告することが必要です。
長期運用時の資金管理
ループイフダンの両建てを長期運用する場合、適切な資金管理が成功の鍵となります。以下のポイントに注意しましょう。
まず、十分な証拠金を確保することが重要です。両建ては証拠金が圧縮されるとはいえ、相場が大きく動いた場合には追加証拠金が必要になることがあります。総資金の50%程度は余裕資金として確保しておくことをおすすめします。
次に、リスク分散のために複数の通貨ペアや取引戦略を組み合わせることも検討しましょう。すべての資金を一つの戦略に集中させるのではなく、異なる特性を持つ複数の戦略に分散させることで、リスクを軽減できます。
また、定期的な利益確定も重要です。利益が出たら、その一部を定期的に出金することで、リスクにさらされる資金を減らすことができます。例えば、月末に利益の30%を出金するといったルールを設けるとよいでしょう。
さらに、長期運用では相場環境の変化に応じて設定を見直す柔軟性も必要です。経済指標や金融政策の変更など、相場環境に影響を与える要因を常に注視し、必要に応じて設定を調整しましょう。
以下の表は、資金量別の推奨運用方法です。
資金量 | 推奨通貨ペア数 | 1通貨ペアあたりの最大リスク | 余裕資金の割合 |
---|---|---|---|
30万円 | 1〜2 | 総資金の3% | 50% |
50万円 | 2〜3 | 総資金の4% | 40% |
100万円 | 3〜4 | 総資金の5% | 30% |
300万円以上 | 4〜6 | 総資金の5% | 30% |
まとめ:ループイフダンの両建ては初心者にもおすすめの手法
ループイフダンの両建ては、相場の方向性を予測する必要がなく、上下どちらに動いても利益を狙える便利な手法です。特にレンジ相場では効果を発揮し、自動売買の特性を活かして24時間取引機会を逃しません。
初心者の方でも、少額から始めて徐々に経験を積むことで、安定した運用が可能になります。ただし、スプレッドと手数料の二重負担や含み損の発生リスクなど、デメリットも理解した上で取り組むことが重要です。
適切な通貨ペアの選択、値幅設定、資金管理を行い、長期的な視点で運用することで、ループイフダンの両建ては安定した収益源となる可能性があります。ぜひ、この記事で紹介した内容を参考に、自分に合った両建て戦略を見つけてみてください。
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